【解説】下肢静脈瘤ができやすい人は
下肢静脈瘤ができる原因は、静脈の働きが悪くなるからです。
本来、一方方向で心臓向きに血液がながれるように逆流防止弁が静脈の中には存在します。その弁が壊れて血液が逆流すると静脈の中で血液がたまってしまい静脈が膨らんでしまいます。
静脈の逆流防止弁に圧力がかかりやすい状態としては
立ち仕事(またはずっと座っている)
妊娠
加齢
体質(遺伝)
があげられます。
1. 立ち仕事
その場でじっと立っている(または座っている)と血液があまり巡らないため静脈に負担がかかります。
調理師さん、美容師さん、学校などの先生なんかが代表的です。
またデスクワークでずっと椅子に座っているのも同じで、長時間同じ姿勢をしているとふくらはぎには血液がたまってしまいます。
2. 妊娠
妊娠中は体を流れる血液量が増えます。そのため妊娠後期になるとむくんでしまう方もいます。
そういう状態では静脈にも負担がかかり、妊娠中に静脈瘤を発症してきてしまいます。
出産するとよくなるのですが、静脈はすでに痛んでしまいましたので後々に静脈瘤がまた目立ってきます。
3.加齢
長年生活をしてくるとどうしても血管には負担がかかり、また年齢とともに血管の弾力が失われて静脈が伸びてしまいます。
50歳をこえると50%以上の方で静脈瘤が見られます。
4.体質
両親、またはどちらかが下肢静脈瘤になっていると子供は下肢静脈瘤になりやすいということが分かっています。遺伝なのか詳しい仕組みはわかってはいません。
両親が下肢静脈瘤だと、子供は80%の確率で下肢静脈瘤になります。みなさんのご両親はいかがでしょうか。
このような職業、状況で下肢静脈瘤になりやすいことがわかっています。
はやめに弾性ストッキングを着用するのを習慣にして予防するのが大切だと思います。
私自身も手術では立ちっぱなし、診察では座りっぱなしですので下肢静脈瘤になりやすい職業です。
実際に最近は下肢静脈瘤がでてきましたので私も毎日弾性ストッキングをはいています。